まだゲームを途中までしか見ていませんが、とりあえず今までの部分だと、女性にとって世界がどんなものであるか、それを男性が体験したらどうなるか? というのが、かなり大きなウェイトを占めているゲームだと思いました。
女性が女性である限り、以下のような危険に常に晒されているわけですが、それについて、男性は理解が及ばない場合が多いです。
・男性の獣性
・自分達が安全に暮らせるかどうかは男性側が自主的にモラルを守っていられるかどうかにかかっている
・男性に襲われた場合に、女性側のせいにされる。(男性であれば女性に性欲を覚えるのは当然であるから、それを刺激した女性が悪いという理不尽な論理)
・恋愛対象でない男性から無遠慮に触られることの嫌悪感
・嫌なことをされているにも関わらず、それを男性に「とるに足らない」と一笑にふされてしまうことの無力感
それでも、女性は常に↑のような危険に晒されながら生きていかなければいけません。
それでもまだ学生のうちは良いですが、社会人になれば、生物学的な性別による圧力以外に、性別による社会的な圧力は一層増して行きます。
そういう現実が遅々として理解されず、女性を守る施策を立てようものなら、
「女性だけ守られるのはずるい」
「伝統的な家族を破壊するのか」*
という幼稚な批判が噴出する……ということが繰り返されている国ですが、一人でも、女性が女性であることがどれだけ危険なことであるか、理解しようと務める男性がいるのは良いことだと思います。そして、それを描こうとする竜騎士には敬意を表したいです。
*21世紀に入ってからでも、夫に内臓をつぶされたり、あごの骨を折られたにもかかわらず、「夫からの暴力に耐えるのが妻の役目のひとつ」ということで、そもそもDVが犯罪であるという観念そのものが多くの男性の政治家には欠けていたそうです。
そういう中でいわゆるDV関連の法を成立させるにあたっては、
実際に夫の暴力で苦しんでいる女性がいるにもかかわらず、
「このような法は日本の伝統的家族を崩壊させる」
という理由の激烈な反対に晒されたそうです。
骨が折れるほどの暴力を受けている女性を保護することが一体なぜ「家族崩壊」につながるのか疑問です。
しかし最近、なんでもかんでも、
「日本の伝統的家族の崩壊」
を理由にして法案に反対する・・・ということが多くて、
DV法のわけのわからん反対のしかたを思い出してしまいます。
暴力を受けて心身ともに病んでいく女性を放っておくことが、守るべき日本の伝統的家族なのですか? と問いたいです。
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