最近、プルシェンコの発言の悪いところばかり切り貼りされてて、ああ、こうやって不都合な発言は排除されていくのだな……と思いました。
20代にして、プルシェンコの脚はもうボロボロなのだそうです。
それでも、彼は、戻ってきた。
トリノの「金」で綺麗な幕引きをして、それを、頂点に君臨した王者としての輝かしいフィニッシュとすることも出来たのに、それでも戻ってきた。
何故なら、フィギュアスケートの採点基準が「挑戦する」選手に価値を見出さないものへと変容していっているから。(他にも諸々の事情がありますが)
「挑戦する」ことが「ハイリスク・あまりにローリターン」では、誰も新しいことに挑戦しなくなってしまいます。しかし、過去に、難しい技に、そして新しい技に挑戦した選手達がいたからこそ、今のフィギュアがあります。
それにもかかわらず「挑戦する」選手に対して、冷たい対応をしていては、フィギュアが停滞・後退してしまう。
「フィギュアスケートの将来は四回転ジャンプにかかっている(The future of figure skating is in the quad jumps)」
というプルシェンコの発言は、決してジャンプ至上主義的なことを言っているわけではなく、「挑戦する」選手の気をそぐ様な状態になっているフィギュアに警鐘をならしたいから。
そして、プルシェンコの、ブランクがあったのにブランクない選手に勝っちゃったv発言も、ブランクがあった自分が、ブランクのない選手達に勝ててしまうという現状を嘆いてのこと。
にもかかわらず、プルシェンコが傲慢に見えるような発言ばかりが強調され、切り貼りされている現状には閉口して(逆にあいた口がふさがらないというべきでしょうか)しまいます。
「高橋は最高のスケーター。4回転に挑戦したのもよかったと思う。いつまでも、健康で、元気でいてください」(←要約してあります)
こういうプルシェンコの暖かい発言がもっとクローズアップされてもいいのに……と思います。
また、今の採点基準は、ファン同士の争い勃発の火種にすらなっています。(もう女子SPの結果のことで熾烈なことになっているようですが……)。
フィギュアという競技が、表彰台にあがる選手を気持ちよく祝福出来るような、そんな競技であってほしいと切に思います。
最後に。
氷上の皇帝が、泥を被る覚悟でした発言は、決して「負け惜しみ」の一言で切り捨ててはならない、と思います。
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